平成28年1月参拝記念

1.短冊画
 毎月1日の午前中、拝殿前に置いています。、その月の参拝記念としてご自由にお持ち帰りください。
 先着50名様。 数に限りがありますので終了の際はご了承ください。描き手は当神社禰宜(多田利子)です。
 なお、平成28年の絵は「大国主命(おおくにぬしのみこと)物語」です。

   

今月ごあいさつ
  
  平成28年1月(睦月)
  
 新年明けましておめでとうございます。ことしも氏神様のお陰をいただかれて、家族が幸せに、地域の皆が仲良く暮らせるように願っています。寒さに負けず頑張りましょう。  
      素盞嗚尊神社(江坂神社) 宮司 多田勝利
  
天照大御神(あまてらすおおみかみ)

 古事記や日本書紀で描かれた神話伝承の中で、天照大御神は、最も尊い神様として位置づけられています。皇室のご先祖様として伊勢神宮にお祀りされ、日本人にとって最も親しみ深い神様であり、多くの人々に信仰されています。

 天照大御神は、その神名が意味するように、天にあって照り輝く偉大な神様であり、天の岩戸に隠れてしまえば、天地が暗くなって、世の中に数々の災いが起こったということです。再び岩戸から現れると、天地に光が満ち、平穏な世の中に戻ったことから、天照大御神は、世の中を明るく照らし平穏無事な世の中を支えてくれる神様であるとも言われています。

 伊勢神宮にはたびたび参拝に行くことはできませんが、自宅の神棚に伊勢神宮のお神札(おふだ)をお祀りして拝んだり、当神社の遥拝所から遥かに拝んだりすることで、天照大御神に世の中や家庭の平穏無事を祈ることができます。

 
     明治天皇御製

目にみえぬ神の心にかよふこそ

      人の心のまことなりけれ 

神様のお姿は私たちの目で見ることはできません。そのお声も聞くことはできません。そのような神様の心に叶うためにはどうすればよいのでしょうか。

それには日頃の生活のなかで、常に浄・明・正・直の心を大事にすることです。「浄」は「清らかな心」、「明」は「明るい心」、「正」は「正しい心」、「直」は「素直な心」のことです。
 これらの心を大事にすることで「まごころ(誠の心)」が芽生えます。「まごころ」こそ神様の御心に叶う道です。



平成28年2月参拝記念

     
今月ごあいさつ

平成28年2月(如月
 
  この冬の寒さもようやく底をついたのでしょうか。節分のころになると春遠からじ、という気がしてきます。この寒さの向こうに春が待っています。
     素盞嗚尊神社(江坂神社) 宮司 多田勝利
 

日本の神社シリーズ

   熱田神宮

 名古屋市熱田区にご鎮座の熱田神宮は、三種の神器の一つである草薙剣(くさなぎのつるぎ)をご神体としてお祀りしています。伊勢の神宮に次ぐ由緒ある大社です。

 草薙剣は、素盞嗚尊(すさのおのみこと)が八俣大蛇(やまたのおろち)を退治されたとき、その尾から出て来たと言われています。素盞嗚尊はこの剣を天照大御神に献上され、さらに天孫降臨の際、邇邇芸命(ににぎのみこと)に授けられ、伊勢の神宮に祀られました。その後、日本武尊(やまとたけるのみこと)が東国征伐に向う途中、伊勢で譲り受けられました。

 日本武尊が敵に謀られ、火に囲まれたとき、その剣によって草を薙ぎ払い難を逃れたことから、草薙剣と呼ばれるようになったと言われています。

 その後、日本武尊は伊吹山の神に幻惑され病にかかり亡くなられましたが、妻の宮簀媛命(みやずひめのみこと)が熱田の地においてその剣をお祀りされました。これが熱田神宮の創祀(祀り初め)となりました。

    
      明治天皇御製

  おもひ入る 道は千すぢにかはれども

  まことのほかに ふむ道はなし

     千すぢ…千筋のことで、多くの枝に分かれしているさま。

 人が進んで行く道は、たくさんの枝分かれがあってどの道を進むか迷うのが世の常です。しかし、迷ったときは「誠の道」を選ぶことが大事です。


平成28年3月参拝記念

     
今月ごあいさつ

平成28年3月(弥生
 
 空の色が思いがけなく明るい日があったり、アジサイの芽がかすかに膨らんだりしているのに気づく季節になって来ました。春の訪れを待ちわびるというのも、また良いものです。
     素盞嗚尊神社(江坂神社) 宮司 多田勝利
          日本の神社シリーズ

    春日大社

奈良の春日大社は、奈良に都が置かれたころ、今からおよそ千三百年前に武甕槌命(タケミカヅチノミコト)をお祀りしたのが始まりの古い神社です。その後お祀りした経津主命(フツヌシノミコト)、天児屋根命(アメノコヤネノミコト)とその比売神(ヒメガミ)の合計四柱の神様を御祭神としています。朝廷からも崇敬を集め、また歴史的に隆盛を極めた藤原氏の氏神としても有名です。

 同社の春日祭は、京都の上賀茂社・下鴨社の賀茂祭、石清水八幡宮の石清水祭とともに勅使が参向される三大勅祭として知られています。

 また、摂社の若宮の「おん祭」は、毎年十二月十七日を中心に数日にわたり繰り広げられる壮麗なお祭りとして有名です。

 現在、同社においては、二十年に一度、神殿や御神宝を造り替える式年造替(シキネンゾウタイ)が行われており、今年の十一月に竣工する運びとなっております。

    
      明治天皇御製  

あさみどり澄みわたりたる大空の   広きを(おの)が心ともがな

 「浅い緑色に澄み渡った広々とした大空を見上げると、自分の心もこのように広く澄んだ大空のようにありたいと願う。」

 日頃見上げる空は、建物や電線などに邪魔されて小さく切り取られ、しかもその空さえゆっくりのんびりと見上げる時間が持てませんね。知らぬ間に自分の心もそのように狭くあわただしくなっているのかも知れません。

 このお歌を味わって広くおおどかな心を取り戻しましょう。


平成28年4月参拝記念

   

今月ごあいさつ
  
  平成28年4月(卯月)
  
 うぐいすの初音に誘われるように、花が咲き草木がわれ先にと芽生える春は、新生・希望といった明るい言葉がお似合いです。ただ季節の代わり身の早さにたじろぐ季節でもあります。
      素盞嗚尊神社(江坂神社) 宮司 多田勝利
          日本の神社シリーズ

     日本三大八幡宮       

八幡神社、八幡宮と呼ばれる神社は「八幡さん」と親しみを込めて呼ばれることが多く、全国的に広く分布しています。

 なかでも、大分県宇佐市の宇佐神宮、京都府八幡市の岩清水八幡宮、神奈川県鎌倉市の鶴岡八幡宮は、「日本三大八幡宮」と呼ばれています。

 ところが、先日福岡市の筥崎宮(はこざきぐう、ご祭神は八幡大神ほか)にお参りに行ったとき、この神社は、宇佐神宮・石清水八幡宮とともに日本三大八幡宮の一つであると説明されていました。

 歴史的には鶴岡八幡宮より幾分古いようで、元寇の際亀山上皇が敵国降伏を祈願され、神門に掲げられている「敵国降伏」の篇額を奉納されました。

博多湾に向かって真っ直ぐ延びた長い参道を挟んで、玄海灘の方向を向いて建ったご神殿は、蒙古の襲来に厳として神威を発揚された往時を偲ばせるお姿です。

 鶴岡八宮も筥崎宮も甲乙つけ難い立派な神社です。

 
     明治天皇御製

おのづから國のまもりやおこたらむ

 ことなき時にこころゆるまば

 「国を守る意識や備えが自然に怠ることになるのではないでしょうか。 

平和なときに国を守ろうとする意識が緩むようことがあっては」

  今の世のなかのことをズバリ言い当てられているお歌です。国の守りが十分であってこそ平和な世の中が保たれることを忘れてはなりません。



平成28年5月参拝記念

   

今月ごあいさつ
  
  平成28年5月(皐月)
  

つややかな新緑に五月の陽の光が戯れているのどかな日。昨日の雨を吸い、今日の光を溜め込んで、どの葉も見る見る一人前になって行きます。植物たちの生命力に圧倒されます。            素盞嗚尊神社(江坂神社) 宮司 多田勝利

          日本の神社シリーズ

日吉(ひよし)大社

 日吉大社は滋賀県大津市に鎮座し、東に琵琶湖、西に比叡山を望む風光明媚な地にあります。古くから、比叡山の東側に連なる日枝山の山の神である大山咋神(おおやまくいのかみ)をお祀りしてきました。全国各地にある日吉(ひえ)神社、日枝(ひえ)神社の総本社です。

 日吉神社の読み方は、「日枝山、比叡山」の「ひえ」でしたが、後に「吉」の字をあてて「ひよし」と呼ばれるようになったということです。

 日吉大社は、比叡山延暦寺の守護神であり、天台宗の護法神であることから「山王(さんのう)さん」と呼ばれることがあります。神道と仏教の両方を取り込んだ思想、「神仏習合」の影響が残る神社としても知られています。

 毎年四月に行われる勇壮な山王祭が有名です。その祭には延暦寺の僧侶たちが神前で読経を行います。

 
     明治天皇御製

卯の花の垣根多かる山里は

 夏のはじめぞ さやかなりける

 「卯の花の咲く垣根の多い山里の初夏は、景色がすっきりとして清らかなことだ。」 

今の時期は唱歌「夏は来ぬ」(卯の花の匂う垣根に ほととぎす早も来鳴きて 忍び音もらす 夏は来ぬ)をつい口ずさむ季節でもあります。


平成28年6月参拝記念

   

今月ごあいさつ
  
  平成28年6月(水無月
  

今年になって早くも半年。この間、気づかない間に犯したかも知れない過ち、触れたかもしれない穢れを祓い清めて、元気を取り戻して残りの半年を息災に過ごせるよう夏越しの祓え(630日)を受けましょう。     宮司 多田勝利

日本の神社シリーズ

住吉さま 

 「住吉さま」と呼ばれて親しまれている住吉三神は、古くから清め祓えの神、航海の神として信仰されてきました。

神話では、黄泉(よみ)の国(死者の国)からこの世に戻ったイザナギノ命(みこと)が、海に入って死の穢れ(けがれ)を洗い流す禊ぎ(みそぎ)を行ったときに生れた神とされています。その際海の底の方で体をすすぐと底筒男命(ソコツツヲノミコト)、中ほどで中筒男(ナカツツヲノ)命、水面あたりで表筒男(ウワツツヲノ)命という三柱の神が生れました。

 住吉三神は、古くから大陸と交流する船を守護する航海の神としても霊威を発揮してきました。

 神功(じんぐう)皇后が新羅へ遠征されるとき、住吉三神が軍船の航海安全と戦勝を守護したことから、凱旋後に皇后が摂津の国住吉に社を建てて手厚く祀ったのが住吉大社の始まりとされています。

 
明治天皇御製

橿原のとほつみおやの宮柱

    たてそめにしより国はうごかず

  とほつみおや……遠い昔のご先祖さま 
  宮柱…皇居の柱、宮殿の柱

神武天皇が初代の天皇として橿原の宮で即位されてから二六七〇余年、その間皇統は揺るぎなく今日まで連綿と続いています。まことにめでたく有り難いいことです。わが国の支柱として大切にお守りしていきましょう。



平成28年7月参拝記念

   

今月ごあいさつ
  
  平成28年7月(文月
  

梅雨時に雨が降らないと、農作物の成育、特に稲の生育に差し障りが出ますが、近頃のように降り過ぎるのも困ったものです。雨も風も人の手に負えない以上、ほどほどにと祈るほかありません。      宮司 多田勝利

日本の神社シリーズ

京の賀茂社

 京の賀茂社というのは、京都の賀茂(かも)(わけ)(いかづち)神社(上賀茂神社)賀茂(かも)御祖(みおや)神社(下鴨神社)の両方の神社の総称です。どちらも古代の賀茂一族の祖先神をお祀してきました。
 また、平安遷都の後は王城鎮護(都の神社として格別の崇敬を集めてきました。

 毎年五月に行われる葵祭り(正式には賀茂祭)は、上賀茂神社と下鴨神社の例祭であり、奈良春日大社の春日祭、石清水八幡宮の石清水祭とともに、日本の三大勅祭(天皇陛下の勅使が参向される祭り)として、古くから重要な祭儀として位置づけられてきました。

 『源氏物語』や『徒然草』などの古典にもこの祭が登場します。

賀茂の競べ馬を木の股に登って見物する坊さんが、居眠りして落ちそうになりながら落ちない光景が『徒然草』に書かれています。

 

 
明治天皇御製

かぎりなきものとさだめし梅雨(さみだれ)

  はるればはれて朝日さすなり

毎日まいにち降り続く梅雨(つゆ)時も、晴れるときには思いがけず晴れて朝日がさすように、人の世も雨の日ばかりではありません。悩みことがいっきに解消して晴れ晴れとした朝きっと来るでしょう。

 



平成28年8月参拝記念

   

今月ごあいさつ
  
  平成28年8月(葉月
  
 梅雨明けが早かったせいで、今年の夏は長くなりそうです。リオのオリンピックが楽しみです。4年後の東京オリンピックのことに引き替えて、何かと気になる夏になりそうです。                        宮司 多田勝利
日本の神様シリーズ

      豊大御(とようけのおおみかみ) 

 豊受大御神さまは、食物の神様(御饌 みけつかみ)として知られています。伊勢神宮の外宮豊受大神宮にお祀りされており、内宮大神宮にお祀りされている大御神に食事(御饌(みけ))を捧げる神様として知られています。このようなお役目を持つことから、豊受大御神さまは天下万民の糧(かて)となる五穀をつかさどる神とされています。

 伊勢神宮では、朝夕かかすことなく、外宮で神饌(神様のお食事)を調整し、内宮の天照大御神をはじめ、神宮の各所にお祀りされている神々に御供えする神事が毎日厳粛に執り行われています。

 この神事は「朝夕(ひごとあさゆう)大御饌祭(おおみけさい)」と呼ばれています。

 
明治天皇御製

とき遅きたがひはあれどつらぬかぬ

      ことなきものは誠なりけり

・とき遅き ― はやいおそい

・たがひ(たがい) ― ちがい

・誠 ― ほんとう、真実、誠実

「物事を為し遂げるまでには、人によって早い遅いの違いはありますが、どんな時でも、誠実な心さえあれば、その志を貫き通すことができます。」

 どんなに巧みな手段方法でも、真実がなければ、成功はおぼつかない。誠から出発したことは、必ず成し遂げられます。

                            明治神宮編「大御心」より

  



平成28年9月参拝記念

   

今月ごあいさつ
  
  平成28年9月(長月
        

 真夏の猛暑もようやく収まりつつあり、朝夕秋の気配が感じられる日もあります。秋の訪れが今年ほど待たれる年はないように思われます。

                   宮司 多田勝利

日本の神様シリーズ

 

  瓊瓊邇邇 (ニニギノミコト)

 瓊瓊杵尊『日本書紀』での書き方、邇邇芸尊は『古事記』での書き方です。ここでは「ニニギノ尊」と書くことにします。ニニギノ尊は天照大御神のお孫さんであることから、「天孫」とも呼ばれます。

 ニニギノ尊は天照大御神のご命令によって、この国の統治者として高天原から地上の国へ降って来られました(天孫降臨)。天降る際に、天照大御神はニニギノ尊に対し、三種の神器を授けるとともに、皇位は天地とともに永遠であること、鏡は天照大御神の御心であるとしてお祀りすること、高天の原で育てた稲の穂を授けこの稲により国民を養うようにとの三つのご命令(三大神勅)を与えました。

 ニニギノ尊の三代のちの子孫が初代天皇の神武天皇であると古書は伝えています。その一二五代目の天皇が今上陛下です。

 このように我が国の天皇さまの地位(皇位)は、神代の天照大御神にまで遡る永い歴史をもち、途切れることなく今の世に続いています。実に有り難いことです。

 

 
明治天皇御製

いつかわが心にかかる雲はれて

 すずしき月のかげにむかはむ

すずし……澄んで清い  かげ……光

 いま心にかかっている心配ごとは、月にかかる雲がいずれは消えてきれいに澄んだ月を仰ぐように、晴れやかな青空が広がる、そんな日がきっとおとずれるでしょう。

 心配ごと、悩みごとの雲は、神様に預かっていただきましょう。そして、晴れやかな気持ちで、感謝の祈りをささげましょう

  



平成28年10月参拝記念

   

今月ごあいさつ
  
  平成28年10月(神無長月
        

 荒れ狂う雨風がもたらす災害のニューを見るたび、自然の恐ろしさをつくづく感じます。しかし、その半面自然から頂く恵みも測り知れないことを思います。こんな葛藤をこれから先も繰り返して行くことでしょう。                                       宮司 多田勝利

日本の神様シリーズ

  多賀大社(お多賀さん)  

                  多賀大社は、滋賀県にある大社です。「お多賀さん」と呼んで親しまれています。ご祭神は伊邪那岐命(イザナギノミコト)と伊邪那美命(イザナミノミコト)の二柱の神様です。神話(古事記)によると、二柱の神様は、まだ日本列島が出来ていないときに、天空にかかった天の浮橋に立ち、協力して鉾で海水をかき回し、鉾の先から垂れたしずくでオノゴロ島を造りました。二神はその島に降り結婚され、この日本列島を生み、またたくさんの神々を生みました(国生み、神生み)。その途中でイザナミノミコトは亡くなりますが、残されたイザナギノミコトが神生みの一大事業を続け、その終わりに天照大御神をお生みになりました。最後には多賀の地に鎮まったと言われています。伊勢神宮に祀られる天照大御神の生みの親がイザナギノミコトであることから、江戸時代には「お伊勢参らばお多賀に参れ、お伊勢お多賀の子でござる。」と歌われ、お伊勢参りとともにお多賀参りも盛んに行われました。  
 
明治天皇御製

うけつぎて まもるもうれし ちはやふる

   神のさだめし うらやすの国

 ちはやふる……「神」にかかる枕詞 
  うらやす(浦安)の国……安泰な国

日本の神話によると、天照大御神がお孫のニニギノミコトに命じて、「お前の子孫が日本の国を治めるように」と命じられました。そのミコトの代のちの神武天皇が初めて天皇としてこの国を治められました。その神武天皇から百二十五代目の天皇が今上天皇です。皇統(天皇の系統)が代々受け継がれ、今日まで続くこの美しい国を「浦安の国」と呼ぶことがあります。

   

平成28年11月参拝記念


今月のごあいさつ  

平成28年11月(霜月)

秋の深まりとともに、落葉の量がだんだん増えてきます。夜明けが遅くなり、夕暮れもずい分早くなりました。季節の移り変わりが、他の季節より目に見えて感じられる頃です。

   素盞嗚尊(すさのをのみこと)神社(江坂神社)  宮司 多田勝利

日本の神様・神社

       靖国神社と護国神社
 

靖国神社は、明治二年に明治天皇の思召(おぼしめ)しによって建てられ東京招魂(しょうこん)社が始まりです。明治十二年に靖国(やすくに)神社と改称されました。
 幕末以降、明治維新・西南戦争・日清日露戦争・支那事変・大東亜戦争などの国難に於いて、国を守るために尊い命を捧げられた二四六万余柱の英霊がお祀りされています。また、ほぼ一府県一社の割合で護国神社が置かれ、各府県出身者又は縁故のある戦死者の英霊がお祀りされています。
 国家社会に尽くし生命を捧げた人の御霊(みたま)に対して感謝と敬意を表することは万国共通の人倫であり感情です。そして、日本人が日本の伝統に従ってこれらの御霊を神と崇め神社にお祀りすること当然のことと申せましょう。

明治天皇御製

  

わが国の ためをつくせる人々の

  名も武蔵野にとむる 玉がき

   とむる ・・・・・・ とどめておく

   玉がき …… 神社のまわりに設ける垣
 

国のために命を捧げた人々の御霊をお社(やしろ)にお祀りし、さらにその名前を境内の玉垣に刻んで長くその名をとどめていることだ。

       


平成28年12月参拝記念


今月のごあいさつ  

平成28年12月(師走)

ほんの少し前に、今年の正月を過ごしたように思えるのに、もう師走の声を聞く時季となりました。過ぎ去った日々を顧みる間もなく、新年がもうすぐやって来ます。
 素盞嗚尊(すさのをのみこと)神社(江坂神社)  宮司 多田勝利

日本の神様・神社

   神宮大麻(たいま)と氏神のお神札(ふだ)

 神宮大麻は、伊勢の神宮のお神札(ふだ)です。神宮→神社本庁→大阪府神社庁→第二支部→当神社へと順に丁寧に受け渡されて到着しました。これを皆様にお(わか)ちしています。また、氏神様のお神札は、この神社のお神札(ふだ)であり、直接皆様にお(わか)ちします。
 当神社ではそれぞれ十二月十二日以降にお(わか)ちできます。
 ご家庭でこれらのお神札(ふだ)をお祀りすることで、神宮や氏神様のご神威こうむることができます。ていねいにお祀りして、毎朝手を合わす習慣は、大切にしたいわが国の美風です。
 毎年歳末には取り替えて、ご神威のよみがえりをはかり、新年を迎えましょう。
 古いお神札は神社の返納箱へお戻し下さい。一月十五日のどんと祭でお焚き上げします。

       

明治天皇御製


 年月は いる矢のごとく すぎにけり

       身の怠りも かへりみぬまま


          いる矢 …… 射る矢 

年月は、弓で射た矢のように速く過ぎゆくことだ。そのあいだに、怠けたりしたこともあったことを静かに反省することもないままに。 「忙しい」ことを言い訳にして、わが身、わが行いを自省することを忘れていないでしょうか。右のお歌は、身にしみるお諭(さと)しです。

          
               



平成29年1月参拝記念

   

今月ごあいさつ
  
  平成29年1月(睦月)
  
 新年明けましておめでとうございます。ことしも氏神様のお陰をいただかれて、家族が幸せに、地域の皆が仲良く暮らせるように願っています。寒さに負けず頑張りましょう。
      素盞嗚尊神社(江坂神社) 宮司 多田勝利
  
天照大御神(あまてらすおおみかみ)

 古事記や日本書紀で描かれた神話伝承の中で、天照大御神は、最も尊い神様として位置づけられています。皇室のご先祖様として伊勢神宮にお祀りされ、日本人にとって最も親しみ深い神様であり、多くの人々に信仰されています。

 天照大御神は、その神名が意味するように、天にあって照り輝く偉大な神様であり、天の岩戸に隠れてしまえば、天地が暗くなって、世の中に数々の災いが起こったということです。再び岩戸から現れると、天地に光が満ち、平穏な世の中に戻ったことから、天照大御神は、世の中を明るく照らし平穏無事な世の中を支えてくれる神様であるとも言われています。

 伊勢神宮にはたびたび参拝に行くことはできませんが、自宅の神棚に伊勢神宮のお神札(おふだ)をお祀りして拝んだり、当神社の遥拝所から遥かに拝んだりすることで、天照大御神に世の中や家庭の平穏無事を祈ることができます。

 
     明治天皇御製

目にみえぬ神の心にかよふこそ

      人の心のまことなりけれ 

神様のお姿は私たちの目で見ることはできません。そのお声も聞くことはできません。そのような神様の心に叶うためにはどうすればよいのでしょうか。

それには日頃の生活のなかで、常に浄・明・正・直の心を大事にすることです。「浄」は「清らかな心」、「明」は「明るい心」、「正」は「正しい心」、「直」は「素直な心」のことです。
 これらの心を大事にすることで「まごころ(誠の心)」が芽生えます。「まごころ」こそ神様の御心に叶う道です。





平成29年2月参拝記念

     
今月ごあいさつ

平成29年2月(如月
 
  この冬は、木枯らしがビュービュー吹きつけるような日が少なく、そうこうしている内に日脚も延びてきました。年が改まったのも束の間、もう2月です。
     素盞嗚尊神社(江坂神社) 宮司 多田勝利
  日本の神社シリーズ

豊受大神

 豊受大神(とようけおおかみ)は、食物の神様と言われています。伊勢神宮の外宮(豊受大神宮)にお祀りされ、内宮(皇大神宮)にお祀りされた天照大御神様にお食事を差し上げる御饌都神(みけつかみ)であります。

 伊勢神宮に天照大御神様がお祀りされた当時は、豊受大神様はまだ伊勢にはお祀りされておりませんでした。しかし、それでは天照大御神様のお食事に不便を来たすことから、丹波におられた豊受大神様を伊勢にお迎えになって、お食事のお世話をさせられたのが外宮の創祀と言われています。

 それ以来、今日まで天照大御神を始めとする内宮の神々に朝夕お供えする神饌は、外宮で昔ながらの方法で調理し、外宮において内宮の神々に向けてお供えすることになっています。

 朝夕神饌をお供えする儀式は「日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい)」と呼ばれ、大事な神事として受け継がれています。

    
      明治天皇御製 

人めには みえぬものから かがやくは

      こころの底の 光なりけり

     ・みえぬものから……見えないけれども

 人の目には見えないけれども、輝いているように見える方がいらっしゃる。それはきっと心の奥底で輝いている何かがそうさせるのでしょう。


平成29年3月参拝記念

     
今月ごあいさつ

平成29年3月(弥生
 
  「春は名のみの風の寒さや……」と思わず口ずさむ季節です。桜の花芽が膨らむとまではいきませんが、少し存在感を主張しているようです。
     素盞嗚尊神社(江坂神社) 宮司 多田勝利
 日本の神様シリーズ

     日本武(やまとたけるのみこと)

 日本武尊は、第十二代景行天皇の皇子で本名は小碓命(おうすのみこと)と申されます。のちに武勇を称えられ日本武尊と呼ばれます。『古事記』では倭建命(やまとたけるのみこと)と表記されます。

 父天皇のご命令で戦士として東奔西走し、各地の土豪を平定し大いに功績を挙げましたが、その最後は悲劇的でした。

 東北征伐の折り、伊勢の神宮にお仕えする叔母の倭比売命(やまとひめのみこと)から頂いた草薙剣(くさなぎのつるぎ)を、東北を平定して大和に帰る途中、尾張の美夜受比売(みやずひめ)の許に置き忘れて、伊吹山の山の神を討ち取りに出かけました。頂上で山の神の毒気に侵され、激しく衰弱し、伊勢の能褒野(のぼの)で臨終のときを迎え、郷里を偲んで和歌を詠みました。(国偲びの歌)

「大和は 国のまほろば たたなずく 青垣 山隠(ごも)れる 大和し麗し」(大和は秀でた国。山は重なり合い美しい青垣をつくっている。この山々に囲まれた大和ほど麗しい国があろうか。)

    
      明治天皇御製 

  うごきなき 大和心は おのづから

        くにの力と なれるなりけり

 「大和心」…日本固有の精神、例えば、皇室を大切に思う心、日本の神々を崇敬する心、長い長い歴史の上に今の日本があると感謝する心、一木一草に神宿ると信じ自然を慈(いつく)しむ心、自分が今あるはたくさんのご先祖のお陰であると感謝する心、この美しい日本を子孫に伝えなければならないと願う心……、

 国民がしっかりとした大和心をもつことこそ、知らず知らずのうちにこの国の力となるのです。

平成29年4月参拝記念

     
今月ごあいさつ

平成29年4月(卯月
 
 桜が咲き始めと、周りの草木も「待ってました!」とばかりに一斉に芽吹き始めます。小鳥たちのさえずりも、ひときわ賑やかになります。自然の息吹を身近に感じる季節です。
     素盞嗚尊神社(江坂神社) 宮司 多田勝利
 日本の神社シリーズ

     熊野三山

 熊野三山は、紀州(和歌山県)の熊野本宮(ほんぐう)大社、熊野速玉(はやたま)大社、熊野那智(なち)大社の総称です。本宮大社は和歌山県田辺市にあり、素盞嗚尊とされる家都美御子大神(けつみみこのおおかみ)をお祀りしています。
 速玉大社は新宮市にあり、イザナギの命(みこと)とされる熊野速玉大神を、熊野那智大社は勝浦町にあり、イザナミの命とされる熊野夫須美(ふすみ)大神をお祀りしています。
 熊野の山々は古くから修験道の霊場として有名であり、また神仏習合によって熊野三所権現と呼ばれました。上皇・法皇から貴族・武士・庶民に至るまで全国から参詣者が集まり、その多さは「蟻の熊野詣(もうで)」と呼ばれたほどでした。参詣道は山深く険しい道(最近「熊野古道」と呼ばれている道)でした。
 熊野三山は、近年世界遺産に登録され一躍有名になりました。

 

    
      明治天皇御製 

あつむれば 国の力となりにけり

こころごころの 民のいとなみ

國民ひとりひとりの真心こめたひとつひとつの仕事
の集りが、めぐりめぐって国を富ませ国の力となるのです。

          


平成29年5月参拝記念

     
今月ごあいさつ

平成29年5月(さつき)
 
 若葉にも浅い緑、深い緑、様々な色合いがあって、どれもつややかに輝いています。若々しく希望に萌える木々の若葉から、若いエネルギーが溢れそうです。
     素盞嗚尊神社(江坂神社) 宮司 多田勝利
 日本の神社シリーズ    

 貴船神社  

 京都北部にある貴船(きふね)神社のご祭神は、タカオカミの神という水をつかさどる神様です。平安時代には雨乞いの神として朝廷から崇敬されたということです。
 雨水や川水は稲作と深く関係することから、古くからこの神社は朝野の信仰を集めと思われます。いまも境内の脇には清流(貴船川)が流れ、紅葉の名所としても知られています。
 全国的にも水をつかさどる神であるカタオカミの神(クラオカミの神とも呼ばれる)は広く祀られています。意加美(オカミ)神社、意賀美(オカミ)神社などと書かれることがあります。 京都の貴船神社には、平安時代の女流作家として知られる和泉式部(いずみしきぶ)が参詣したときに詠んだとされる歌が残っています。

 「ものおもへば 沢の蛍も わが身より あくがれいづる魂かとぞみる」
 神様から次のような返歌があったということです。

 「おく山に たぎりて落つる 滝つ瀬の 玉ちるばかり物なおもひそ」 
  あまりくよくよ思いなさんなというご返事のようです。

    
      明治天皇御製 

言の葉にあまる誠は おのずから

  人のおもわに あらわれにけり

  「おもわ」… 顔 

 言葉では言い表せなくても、まごころを持っておれば、自然とその人の顔に現れるものです。

          


平成29年6月参拝記念

     
今月ごあいさつ

平成29年6月(水無月)
 
 今年になって早くも半年。この間、気づかない間に犯したかも知れない過ち、触れたかもしれない穢れを祓い清めて、元気を取り戻して残りの半年を息災に過ごせるよう夏越しの祓え(630日)を受けましょう。      素盞嗚尊神社(江坂神社) 宮司 多田勝利
 日本の神社シリーズ 

      橿原神宮 

 橿原神宮は、奈良県橿原市の畝傍山の東側山麓に鎮座する元の官幣大社です。古事記や日本書紀において初代天皇とされる神武天皇がお祀りされています。明治二十三年、民間有志の請願に応えられ明治天皇が創建されました。

 神武天皇(神倭伊波禮毘古命・かむやまといわれびこのみこと)は天照大御神の子孫であり、豊かで平和な国づくりを目指して九州高千穂の宮から東に向かい、幾多の苦難を乗り越え橿原の地に到達し、橿原の宮で初代天皇として即位されたと言われています。今から二六七〇年余り前のことです。

 神武天皇が下されたという「八紘一宇・はっこういちう」の教えは、国中の人々があたかも一軒の家に住むように仲良く暮らす平和な国作りを理想とされたものです。

 このことばは、戦前において国策の標語として使用されたことから、好戦的な意味を持つように誤解されることがありますが、決してそのようなことはありません。

    
      明治天皇御製 

橿原のとほつみおやの宮柱

    たてそめにしより国はうごかず

  とほつみおや……遠い昔のご先祖さま 
  宮柱…皇居の柱、宮殿の柱
  たてそめにし……初めて皇居を建てた

神武天皇が初代の天皇として橿原の宮で即位されてから二六七〇余年、その間皇統(天皇の系統)は揺るぎなく今日まで連綿と続いています。めでたい限りりです。


平成29年7月参拝記念

     
今月ごあいさつ

平成29年7月文月)
 
  境内に立てた茅の輪を見ると、去年茅の輪を立ててから、早くも一年たってしまったことが、しみじみ感じられます。近頃、月日のたつのが早くて、困まっています。皆さまはいかがでしょうか。                            素盞嗚尊神社(江坂神社) 宮司 多田勝利
 日本の神社シリーズ 

       大神(おおみわ)
 大神神社は、奈良県桜井市三輪にご鎮座の昔の官幣大社です。古くは三輪明神とも呼ばれました。
 ご祭神の大物主大神(おおものぬしおおかみ)は、古来国造りの神として崇められ、今も国家の守護神・生活全般の守護神として篤く敬われています。ご祭神は緩やかな円錐形の三輪山に祀られていることから、三輪山自体がご神体とされています。このため、神社にはご本殿がなく、拝殿から背後の三輪山を直接拝むようになっています。
 三輪山は神聖なお山として、禁足地とされていましたが、近年は参拝目的で登山すること(登拝)が認められているようです。

    
      明治天皇御製 

 梅雨(さみだれ)は 晴れむとするらし

   ひとしきり 降りたる空に

           虹のたつ見ゆ
 
 

 梅雨がようやく上がりそうだ。いっときザーと降ったあとの空に虹が出ているよ。新しい希望を見つけて進みなさい、という大空からのメッセージ!

 


平成29年8月参拝記念

   
今月ごあいさつ

平成29年8月(葉月)
 
  九州や東北では豪雨の被害が甚大ですが、此処らは雨らしい雨も降らず、梅雨明けとなりました。雨の少ないのも困ったものです。雨も風も「ほどほど」であってほしいものです。                     素盞嗚尊神社(江坂神社) 宮司 多田勝利
 日本の神社シリーズ 

    水無瀬(みなせ)神宮

大阪府の北端三島郡島本町広瀬に御鎮座の旧官幣大社。御祭神は鎌倉時代、承久の乱(一二二一年)に鎌倉幕府側に敗れてそれぞれ配流先で崩御された後鳥羽上皇、土御門天皇、順徳天皇をお祀りしています。
 後羽上皇は、生前水無瀬の地を好まれその地に離宮(別荘)を造られ、しばしば遊ばれました。崩御されたのち遺言によって水無瀬信成・親成親子が離宮跡に御影堂を建立し、上皇らの御神霊をお祀りしたのが当神社の創祀です。
 当社所蔵の御鳥羽天皇像と御鳥羽天皇宸翰(天子の自筆文書)は国宝であり、境内に残る茶室(燈心亭)は国指定の重要文化財です。

 神社の境内には「離宮の水」と呼ばれる湧水が出ています。大阪府内唯一の「名水百選」に選ばれています。茶の湯に適した水だということで、いまも水汲みに訪れる人が絶えません。

 神社に近いJR島本駅付近は、昔桜井の駅(宿場)があったところで、駅近くの公園に、楠公親子の桜井の別れの像(「青葉茂れる桜井の…」と歌われた場面)が建っています。

    
      明治天皇御製 

 あさみどり 澄み渡りたる大空の

          広きをおのが心ともがな

  おのが心ともがな … 自分の心としたいものだ

 あおく澄み渡った大空のような広い大きな心を、自分自身の心としたいとは、思っていても、日常の些事にまぎれ、知らず知らずのうちに、狭く濁った心になりがちです。ときどき、きれいな青空を見上げて、「広きをおのが心ともがな」と歌ってみましょう。



平成29年9月参拝記念

   
今月ごあいさつ

平成29年9月(長月)
  
  今年の夏は、抜けるような青空に入道雲が立ちあがる真夏の風景を見ることがなかったような気がします。それにしても、秋風のひと吹きが待たれる今日この頃です。                   素盞嗚尊神社(江坂神社) 宮司 多田勝利
 日本の神社シリーズ     

  湊川(みなとがわ)神社

 「楠公さん」と親しんで呼ばれている神社です。神戸市生田区多門通りに面して建っています。主祭神は楠木正成(まさしげ)公です。
 正成公は、永仁二年(一二九四年)に河内国赤坂(大阪府千早赤坂村)に生れました。当時、まつりごと(政治)の実権は、武門である鎌倉幕府に握られていました。後醍醐天皇はこれを天皇が直接統治する政治(天皇親政)の世の中に戻そうとされました。正成公は天皇の勅を奉じて挙兵し、鎌倉幕府を倒すうえで大功をたてました、後醍醐天皇は天皇親政の本来の統治の姿を取り戻されました(建武の中興)。
 しかし、足利尊氏(あしかがたかうじ)の謀叛によって、天皇親政の世は三年間で崩壊し、正成公も尊氏軍との湊川の戦いに敗れ、「七生報国」を誓って自刃しました。

 江戸時代の末に正成公の天皇に対する忠節が高く評価されるようになり、明治天皇のご意向により、墓所のある湊川に神社を建てその御神霊をお祀りされ、別格官幣社という高い社格が与えられました。これが湊川神社の創祀(神社の始まり)です。

    
      明治天皇御製 
 
なにごとに 思ひ入るとも  はただ
  まことの道を
  ふむべかりけり
 

 思い入る…深く思う・思いこむ  どのようなことに迷ったり悩んだりすることがあっても、人として進むべき道はただ一筋、「誠の道」を選んで進むべきです。

楠木正成のように、天皇に尽くす誠の道は「忠節」と呼ばれ、人の道の高い徳とされます。