19. 本殿 (吹田市指定文化財)

 当神社の本殿が吹田市の「指定有形文化財」に指定されました。平成23年4月11日付け。有指建第四号

 指定書に記載された本殿の特徴「一間社流造 正面千鳥破風付 身舎に彩色を施す。身舎背面に間柱を入れ、三間とする。」
 
【用語の解説】
 「一間社流造」というのは、正面の柱間が一つである流造をいいます。即ち、正面の柱が左右両側に2本ある流れ造りです。背面が「三間」というのは、背面の柱が、左右両端の2本の間に2本の間柱、合計4本の柱があって柱間が三つあることを意味します。「一間」は長さの単位ではなく、柱間の数をいいます。
 「千鳥破風(ちどりはふ)」というのは、屋根の斜面に取付けた破風のlこと(広辞苑)。「破風(はふ)」というのは、切妻屋根の端の山形をなす所をいいます(広辞苑)。
「身舎(もや)」というのは、社殿の主体になる部分をいいます。

 吹田市域の三間社以下の社殿では唯一、正面に千鳥破風を設けているということです。この本殿の建築時期は、各部の様式から見て、17世紀後半頃ではないかと推定されています。当神社には、建築時期を示す記録は残っていません。
 なお、屋根は、明治27年に屋根換え工事が行われ、大正14年に檜皮葺から現在の合板葺に葺き替えた記録が残っています。昭和50年に風防囲いが設けられました。

 この地のご先祖たちが残してくれた大切な遺産です。これからも大事に守って行かなければなりません。皆さま方のご理解とご支援をお願い致します。

   
  流造の正面に千鳥破風が設けられています。      千鳥破風    千木、鰹木も見えます。


 前面左右の2本の柱の間が一つで「一間社」
 身舎の豊かな彩色が伺えます。

【用語解説】
 「千木(ちぎ)」:破風の両端と、千鳥破風の先端の3個所に取り付けられた交叉した木の装飾物のこと。太古、家屋を作るに、木材の両端を切り捨てなかった遺風(広辞苑)。
 先端部の削ぎ方には、内削ぎ(代表例は伊勢の内宮)と、外削ぎ(代表例は伊勢の外宮)があります。前者は女神、後者は男神を祀る社殿に採用されます。当神社の場合は、外削ぎになっています。
 社殿に特徴的な装飾物であることから、立派な社殿を形容する古い表現として、「高天原に千木高知りて(天空に千木が高く聳えて)」という表現があります(延喜式祝詞)。

 「鰹木(かつおぎ)」:棟の上端に横向きに取り付けた数本の円柱状の装飾物のこと。鰹節に似ているからということです。

【吹田市博物館作成の説明資料】



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